愛犬のもしもの時のために「犬の蘇生術」を知っておく必要があります

人間と同じように、犬も心臓マッサージと人工呼吸で命を救われたケースがあります。人間に対してのやり方もわからないのに、犬に蘇生術なんてできない、と思う人もいるかもしれませんが、知っているのといないのとでは大違いです。やり方を知っているだけで、もしもの場面に遭遇した時に、ひとつの命を救うことにつながるかもしれません。

犬の蘇生術

基本的には人間の蘇生術と似ています。ただ、大型犬や中型犬と、小型犬ではやり方に少々違いがあります。また、人間は人工呼吸をする際に、マウストゥーマウスで口に息を吹き込みますが、犬には鼻に息を吹きこみます。

人間と同じで、呼吸や心臓が止まってしまった時に、獣医に診せるまで何もしないで待つよりも、蘇生術を施していた方が、生存の確率がぐんとあがります。

人工呼吸

確認をしても犬が呼吸をしていない場合には人工呼吸をします。首を伸ばすようにして軌道を確保しながら、体の右側が下になるように犬を寝かします。嘔吐物や舌など、喉や口の中に異物が詰まっていないか確認し、詰まっている場合は取り除きます。犬の鼻を口で覆って、3秒ほどかけてゆっくりと息を吹き込みます。

心臓が動いている場合は、心臓マッサージは行いません。人工呼吸5回ごとに、心臓が動いていることを確認して、自発呼吸が戻るまで繰り返します。心臓が動いていない場合は心臓マッサージと並行して行います。

心臓マッサージ

小型犬の場合は、指で心臓を圧迫します。位置は、両方の前足の付け根をつないだ線の中央の少し下です。両手で犬の胸囲を包むようにして持ち、両親指を心臓の上に当てます。両手の親指で胸が3から4センチ程沈むくらいに押します。心臓マッサージ10回ごとに、人工呼吸を1回のペースで行います。

中型犬・大型犬の場合は、手のひらの親指の付け根にあたる部分で圧迫します。位置は小型犬と一緒ですが、両方の親指の付け根を重ねるように置き、胸が5から6センチ沈む程度に体重をかけて圧迫します。心臓マッサージ5回ごとに、1回の人工呼吸をします。

犬に反応があったり、心音が確認できるまで繰り返します。

もしもの時のために

人間はもちろんのこと、犬の心肺蘇生術の方法も知っておく必要があります。犬を飼っていたり、犬と関わる機会が多い人はなおさらです。もしもの時に、あなたが勇気をだして正しい蘇生術を施すことができれば、ひとつの命が救われるかもしれません。