暴行や性的虐待などを受けた被害者が、加害者を目の前にして証言をしなくてはいけない場面が多くあります。犯人の顔を見ないように衝立などで仕切る場合がほとんどですが、それでも犯人と同じ空間にいるだけ恐怖に襲われ証言できないという問題がありました。
しかしアニマルセラピーという考え型が広まったことにより、新しい試みとして裁判所犬という犬が注目を集めています。犬は人間の感情を読み取る力が優れていることを上手に使った精神的部分の介護犬と言えます。
裁判所犬は傷ついた被害者に寄り添い続ける事でもたらす効果とは?
裁判所犬は被害にあった被害者のそばにじっと寄り添い、裁判が終わるまでのあいだ被害者に寄り添っています。犬を撫でることでストレスが緩和されたり、緊張や恐怖心が和らぐことが実証されています。
この効果を利用して裁判を円滑に進めるために、精神的にダメージが大きい子供の証言者などの裁判に参加することが多くあります。裁判所犬は「ここは安全な場所だよ」と言っているように、証言台に立つ被害者に寄り添う光景が印象的だと言えます。
注目されている裁判所犬になるまでの道のりは想像以上に過酷で厳しい
裁判所犬になるためには、様々な特殊な訓練をクリアしなくてはなりません。裁判所犬に一番求められるのは忍耐力だと言えます。長時間にわたる裁判を、被害者(証言者)の隣でじっとしていなければなりません。
またどんな状況に直面しても驚かないように、様々なシチュエーションを経験させられます。生後8週間からトレーニングが行われ、これを見事にクリアした犬が裁判所犬として認められます。
どんどん広がりを見せている裁判所犬の活動
裁判所犬という存在は、徐々に認知されつつあります。厳しい訓練を得てやっとなれる裁判所犬は、多岐にわたり活躍していくことが予想されています。裁判所犬になれなかった場合は、介護犬や盲導犬などになることが多くあります。
さらに穏やかな性格の犬が多いために、介護施設や病院を回って歩くアニマルセラピー犬として活躍していることも多くあります。これからも活躍期待されていることは言うまでもありません。